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G20で話し合われない?マイクロカプセル

前回のブログ「梅雨の部屋干しのコツ」では、部屋干しの洗濯物を早く乾かす様々な方法をご紹介しましたが、中には、梅雨の時期の生乾きの臭いやこれからくる夏の汗の臭いなど、洗剤や柔軟剤で予防する方もいると思います。毎年たくさんの高機能商品が次々に登場していますよね。

このような商品は、「部屋干し抗菌」、「汗ジミ速乾消臭」、「アロマの香り」、「花粉付着防止」、「静電気防止」等の機能があり、中でも「香り」成分は衣類の繊維に付着して朝から晩まで長時間とどまります。


これは一見とても便利に見えますが、この正体は”小さなプラスチックのカプセルに入った有害化学物質”です。このカプセルが弾けることで成分が放出して、役割を果たすというわけです。


G20サミット
G20大阪サミット
Photo by Will Schulenberg

昨日から始まった(6月28・29日)メンバー国20カ国、招待国8カ国、国際機関9機関が参加するG20サミット首脳会議は、大阪で開催されました。


このG20を前に、日本消費者連盟は5月10日、経済産業省、環境省、厚生労働省の大臣に対し、「G20に向け 家庭用品へのマイクロカプセルの使用禁止を求める緊急提言」を提出しましたが、日本政府は今のところ政策に反映をしていません。


今回のG20の大きなテーマの一つが「廃プラ(プラスチックごみ)」ですが、残念ながらこの中に「マイクロカプセル」は組み込まれていないそうです。


マイクロカプセルとは
マイクロカプセルのイメージ photo by pawel czerwinski
photo by pawel czerwinski

極小のプラスチック容器であるマイクロカプセルに成分や素材を閉じ込めた商品は、私たちの日常用品にあふれています。農薬や香料、洗剤・柔軟剤、制汗剤、消臭・芳香剤、医薬品、化粧品などに使われ、繊維(衣類の蓄熱・吸熱)、塗料(蓄熱・吸熱・吸音など)などにも及んでいるそう。


このマイクロカプセルはあまりにも小さいため、花粉症対策用のマスクも簡単にすり抜ける程の大きさです。これを吸い込み続けると化学物質過敏症になる恐れがあります。洗剤・柔軟剤の香りは「香害」を引き起こし問題となっています。


マイクロカプセルの素材はいわゆるプラスチック。カプセル内に閉じ込められた成分(有害化学物質)が放出された後、残るのは抜け殻のプラスチック、つまり、マイクロプラスチックです。

柔軟剤の場合、キャップ一杯にこのマイクロカプセルが1億個入っているといわれています。洗濯物に付着しなかった一部のマイクロカプセルは洗濯のたびに下水へと流れ、海へと流れ、海洋生物を汚染し、地球全体を汚染します。


また、最近の研究でマイクロプラスチックを好んで食べるサンゴが見つかりました。ほとんどのマイクロプラスチックには細菌が付着しており、それが原因でサンゴが病気になったり死んでしまう危険があるそうです。事実、マイクロプラスチックは表面が凸凹しているため、海洋中のダイオキシンやPCBなどの疎水性の有害物質を吸着しやすい性質があります。それらを私たちが摂取し続け体に蓄積していけば、さまざまな病気が引き起こされるだろうと容易に想像ができますね。

欧州化学物質庁(ECGA)が2019年1月に欧州委員会(EC)に提出した「マイクロプラスチック規制」の提案の中には、洗剤などに含まれる「香りマイクロカプセル」についても、5年の猶予付きで禁止すべきとしています。


こうしている間にも、地球や人間には確実にプラスチックは蓄積されています。まだマイクロプラスチックが原因で病気が発症したという報告はありませんが、そのような症例が現れる日は近いかもしれません。手遅れになる前に、日本だけでなく、世界的に規制や対策を講じる必要があると言えます。



 

引用


ハーバービジネスオンライン


日本消費者連盟


ナショナルジオグラフィック

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