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ナチュラルな洗濯のすすめ

気温も低く、毎日ジメジメした憂鬱な天気が続きますが、体調を崩していませんか?就寝前にお風呂に浸かったり、体を冷やさないように過ごしてください。

梅雨明けはまだ先になるようです。

この季節の洗濯を早く乾かす方法は、先月のブログ「梅雨の部屋干しのコツ」をよろしければ参考にしてください。


一般的な壁紙の部屋に比べて、壁や天井にいいかべ珪藻土を採用した部屋は、珪藻土の調湿性能により適度な湿度を保つため、カビの発生を抑制し、梅雨の時期でも快適に過ごせます。ただし、いいかべ珪藻土が吸収した湿気を吐き出させてあげることが重要になるので、梅雨の時期も適度に換気をするなど、室内の湿度を上げない工夫をしてください。


さて、みなさんは「香害」をご存知でしょうか。

G20で話し合われない?マイクロカプセル」で少し触れた柔軟剤ですが、過剰な人工香料をマイクロカプセルに閉じ込めた商品による健康被害は「香害」とよばれ、社会的に問題になっています。


この目に見えない化学物質を自身や家族、そして子供やペットが吸収していると考えてください。これを摂取し続けると「化学物質過敏症」になる場合があります。症状はさまざまで、めまい、頭痛、吐き気、のどの痛みなど、外出が困難になるほど悪化する場合もあります。自分自身のためにも、自分の周りの方のためにも、こういった柔軟剤を使用することは避けて頂きたいと思います。


今回は、柔軟剤の現状と、柔軟剤や高機能洗剤に頼らない、ナチュラルな洗濯の方法をご紹介します。


柔軟剤に関する調査

日本では、どのくらいの人が柔軟剤を使用しているのでしょうか?ここでは昨年実施された2つのアンケートを紹介したいと思います。


オレンジページが行った調査では、香りに対する賛否が分かれました。

  • 洗濯用柔軟剤を使う人 7 割、うち 9 割以上が「香りつき」購入

  • 洗剤や柔軟剤の「香りが好き」61.2%、「正直香りは苦手」も 33.9%

  • 「アイテムや人に合わせ、無香料との使い分けもアリ」55.3%

また、マイボイスの調査では下記のような結果が出ています。

  • 柔軟剤直近1年間利用者は全体の6割弱で、洗濯をする人のうち7割強。

  • 柔軟剤使用目的は「衣類の肌触りをよくする」が直近1年間利用者の6割強、「ごわごわする素材をふんわり仕上げる」が4割弱、「香りをつけたい・楽しみたい」「衣類の消臭」が各3割弱。

  • 柔軟剤非利用者(全体の2割弱、洗濯する人の約25%)の理由は、「香りが強すぎる」「柔軟剤を使うほどのこだわりがない」「衣類の柔軟性は必要でない」が各2割強。


調査結果を見ると、香りが苦手な方は多少いるものの、7割近い人が香り付きの柔軟剤を使用していることがわかります。

大手洗剤メーカーの調べによると、柔軟仕上げ剤は970億円を超える市場規模に成長しているそう(2018年)。そのうち、防臭・消臭機能が高いタイプは、柔軟仕上げ剤市場の約4割を占め、拡大を続けているということで、市場の成長ぶりや調査結果から、「香害」が認知されはじめているとはいえ、香りや消臭成分などの化学物質の危険性に対する認識は残念ながらまだまだ低いという印象です。


洗濯洗剤・柔軟剤の代用

それでは何で洗えばいいのか?

市販の洗濯洗剤や柔軟剤を環境負荷の低い「自然なもの」に変えてみてください。中には、合成添加物不使用、生分解性※が高い、植物由来成分を使用、地球にやさしいパッケージを使用、動物実験をしていない、などなど環境負荷の低い商品も販売されていますが、今回は私が実践している方法をご紹介します。

※生分解性…自然界に存在する微生物の働きによって物質が完全に水と二酸化炭素に分解される性質


◆洗濯洗剤の代わり

「セスキ炭酸ソーダ」や「水酸化マグネシウム」を使用することができます。どちらもアルカリ性でつけ置き洗いをするとより効果的です。


セスキ炭酸ソーダは、ドラッグストアやスーパーの掃除用具売り場で販売されています。

セスキは水30Lに対して小さじ4~5。すすぎは一回でOK。セスキは皮脂や血液などたんぱく質を溶かす働きがありますが、泥汚れや頑固なよごれを落とすのは苦手なので、我が家ではウタマロせっけんで洗ってから洗濯機に入れています。


水酸化マグネシウムに関しては、すでに商品として売られているものもありますが、自分で簡単に作れます。オンラインショップで袋売りされている水酸化マグネシウムの粒を買い、100円ショップで購入した一番小さい洗濯ネットに250g程度入れ、チャックが洗濯時に開かないように止めるか、ネットを二重にすれば出来上がり。いつもの洗濯に入れるだけ。すすぎは1回で洗濯が終わるまでそのまま入れておきます。最後は、洗濯物と一緒に干してあげてください。

使用していると銀色だった粒には皮膜ができ黒ずんくるので、メンテナンスは月に1度、水酸化マグネシウムをクエン酸小さじ1を溶かした水に入れ、しゅわしゅわーっと発泡させて洗浄する必要があります。こうすれば長く効果を保ちながら使用することができます。


◆柔軟剤の代わり

代用に「クエン酸」を使用します。セスキ同様、掃除用品売り場に売っています。酸性のクエン酸がセスキや水酸化マグネシウムのアルカリ性を中和してくれます。

衣類をふわふわにする機能はありませんが、雑菌の繁殖を抑える効果があるため、この梅雨に時期の生乾きの臭いを抑えてくれます。

いつものお洗濯に、すすぎで止めて水10Lに対して1g(小さじ3分の1)を入れます。(水30Lでは小さじ1)。すすぎと脱水が終わったらいつものように洗濯物を干すだけです。

どうしても香りをプラスしたい方は、良質なエッセンシャルオイル(精油)※を数滴、クエン酸を入れるときに垂らすとよいでしょう。


※エッセンシャルオイルは禁忌事項があるので、仕様書等をよく読んでから使用してください。


脱・化学物質

柔軟剤、芳香剤、香水など、私たちを取り巻く有害化学物質は「香り」だけではありません。

高機能をうたう洗剤、ソファーや衣服にかける消臭スプレー等もです。

繊維に残ったそれらの有害な化学物質は、肌から吸収(=経皮吸収)され、これを経皮毒と呼びます。口から吸収されたものは90%は体外に排出されると言われていますが、肌から吸収されたものは10日で10%しか排出されないそう。なんと鼻から吸収されたものは直接脳に影響するともいわれています。


つまり、日常使うシャンプー、歯磨き粉、化粧品などが日々着実に体内に蓄積されるということです。これが恐ろしいのはある程度溜まらないと表面化しないため、気づきづらいという点。


今一度、自分が使用している商品に入っている成分を見てみてください。そしてその成分を調べてみてください。私たち消費者ひとりひとりが賢くなる必要があります。化学物質を完全に排除することは不可能ですが、なるべく使用しない、人と地球環境にやさしい生活を心がけていきましょう。



 

引用


シャボン玉せっけん

香害


日本経済新聞

ライオン、衣料用柔軟仕上げ剤「ソフラン プレミアム消臭 洗濯物が多いおうち専用」を発売


オレンジページくらし予報

ニュースリリース/2018年6月


マイボイス

柔軟剤に関するアンケート調査/2018年9月


国際オーガニックセラピー協会

経皮毒について

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